新雪

今年の気候は1ヶ月遅れだな。
そんなことを考えながら、さらさらと降る雪を見る。
昼間から降り続けている雪は大分積もってきている。
寒いのは嫌いだけど、偶には雪を見ながら深夜の散歩も良いかも。
そんなことを思いついて、なんとなく外へ。


予想以上の寒さに少し後悔したものの、サーカスのテントを照らす照明に反射し、
きらきらと光る雪を見ると偶には寒いのも良いかな等と思えてくる。
寒さで人通りが少なかったせいなのか、足跡一つ無い参道を歩きテントに近づく。
真っ白な参道に足跡を刻み込むのは、なんとなく背徳を感じて心躍る。
テントの周りはとても静かで、設営も終わっている為に人の気配も全くない。
なんとなく気が向いたので、テントの裏に回ってみる。


かすかに聞こえる子供の声。夜遊び?などと見当違いの想像。
すると不思議な光景。足音も人影も無いのに、照明の下に増える子供の足跡。
降り積もる雪に負けないように、ただひたすらに足跡だけが増えていく・・・